2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。
第十二回は二松学舎大学落語研究会より心染プロジェクトに参加した、藤田想(ふじた そう)さんが登場。インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所(株式会社タイタン)に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。
尚、本インタビューは新型コロナウイルス感染防止を考慮し、出演者はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ちながら収録しました。
田中 今回のお相手はどなたですか?
竹内 前回の二松学舎大学落研OB・後藤君の後輩・藤田想君です。学生時代の高座名は二松亭 桜二郎(にしょうてい おうじろう)として活躍していました。
藤田 先輩たちのインタビュー記事をこっそり読んでたので、とても楽しみにしてきました!!
田中 こっそりじゃなくて、大々的に読んでいいのよ(笑)。
竹内 あれ?藤田君って今年の3月に卒業したばっかりだよね?
藤田 そうです。
田中 どんな仕事をしているの?
藤田 自動車の整備会社で働いています。
田中 出社はできているの?
藤田 ほぼリモートですね。なので社会人として、出鼻を挫かれていますね。
田中 そうだよね。研修とかもリモートでやっている会社も多いもんね。
藤田 はい。僕の会社は鳥取県に2カ月くらい泊まり込みで、とことん車の部品を触る研修があるんですよ。
田中 楽しそう!そこで経験を一気に積むんだ。
藤田 そうなんですよ。ただ、コロナの影響でその研修もなくなってしまって。行きたかったんですけど。ずっと家にいるので、早く“職場”というものを味わいたいです。
竹内 心染プロジェクトに参加したのはいつから?
藤田 後藤先輩と同じタイミングで参加したので、3年生の4月くらいです。
田中 そうだそうだ。東海落研※から、紹介されたんだよね?
※東海大学文化部連合会落語研究部
藤田 はい。僕が東海落研の友達から紹介してもらったんですよ。僕らの学年くらいから他大との交流を活発にしてきたので、先輩と僕の後輩を誘って参加しました。
田中 実際に心染プロジェクトとして活動してみてどうだった?
藤田 色んな人と出会えました。「出張落語会」、「出前授業」、「心染寄席」と万遍なく参加させていただいたので。他大の人と落語を一緒にできて嬉しかったです。
竹内 “二松学舎落研”の存在を知ってもらうためにもいい機会だったんじゃない。一番印象深い活動はどれ?
藤田 やっぱり、「出前授業」ですかね。落語やって、子供どもたちに落語を教えて、一緒に給食を食べて。
竹内 落語はなにやったの?
藤田 『寿限無』をやりました。
田中 落語の入門編としては一番優しい落語だね。盛り上がったんじゃない?
藤田 喜んではもらえたと思います。
竹内 落語は『みそ豆』を教えたの?
藤田 その時は噺を教えるのではなく、落語を演じるときの“歩き方”とか“話し方”とか。僕は舟の漕ぎ方を教えました。
田中 櫓(ろ)を漕ぐやつ?
藤田 そうです。
竹内 大変じゃなかった?舟を人力で動かしてたってことも理解させないといけないじゃない。
藤田 そうですね。とにかく、子ども達を楽しませようと思って、難しいことは後々興味を持ったら自分で調べるだろうと思っていたので。
竹内 ああ、良い考え方だね。そもそも小学生と話すのは得意だったの?
藤田 いや、どう接したらいいのかはわからなかったですね。
田中 敬語使ったりね。敬語はダメなんだよね。
竹内 一気に距離が生まれちゃうんだよね。
藤田 ノリがいい小学生だったので助かりました。
竹内 ノリが良いのが一番いいよ。それだけでやりやすくなるし。
田中 心染寄席は2回くらい出たの?
藤田 はい。2回参加して1回目と2回目で仕立てが違ったので、よく覚えています。
田中 あ、そうなの?
藤田 1回目に参加したのはキンレイさんの商品の試食会と僕ら学生の寄席を同時に開催して、2回目は関東落研連合※のイベント「一年生寄席」と一緒に開催したんですよ。その時はキンレイさんの商品を来場者にお土産としてお渡しして。
※関東落研連合:関東圏の大学落研の交流促進を目指す学生団体。通称・関落連(かんらくれん)
田中 関落連と心染プロジェクトがついに繋がったんだね。僕らの時は本当に内々で活動しているだけの団体だったからなあ。
竹内 そういえば、藤田君が出た、この前の策伝大賞※はすごかったね。
※策伝大賞:岐阜県岐阜市で行われている落語の全国大会。藤田さんはファイナリスト8名に選ばれ、審査員特別賞を受賞しました。
田中 僕らが策伝大賞のゲストとして呼んでいただいてね、みんなの落語を袖で観ていて二人でテンション上がっちゃってね。
竹内 いやー、すごかった。藤田君が優勝したと思った。創作落語が多い中で、綺麗に古典落語をやってて。惜しかったね。
田中 年々、学生落語のクオリティが上がってて、どんどんすごくなってる。僕らの時代とは比べ物にならない。終わった後も竹内と二人でずっと「すげー、すげー」って話してね。
竹内 そうそう。藤田君はいつから落語に興味を持ち始めたの?
藤田 聴きだしたのは小学生の時です。親にiPodを買ってもらったんですけど、音楽を聴くのは普通だなと思って。
田中 それで落語か(笑)。
竹内 意外性ってだけで選んだんだ。
竹内 なんでiPod欲しがったんだろうか?
藤田 いや、BUMP OF CHICKENとか聴きたくて…。。
田中 聴いてんじゃねえかよ!結局!
藤田 ただ、これ見よがしに友達の前で落語を聴いていても、「へえ~」って(笑)。「渋いね~」って(笑)。
田中 空振りしたんだね。
藤田 でも、大人受けは良かったです。親戚のおじさんが落語好きで、「お前落語聞いてんのか!」って喜んでくれましたね。
竹内 あ~、大人は面白がるだろうね。
田中 そんな記憶があって、それで落研に?
藤田 はい。
竹内 実際に落語をやるようになって印象は変わった?
藤田 はい。それまですごい緊張するタイプだったんですけど、やればできるんだなって。そこからはどんどんハマっていきました。落語の噺自体も面白いなって思って。
田中 確かにストーリーとしての魅力があるよね。
竹内 で、落研に入って、心染プロジェクトにも参加して…。藤田君が思う心染プロジェクトの魅力ってなんだった?
藤田 やっぱり…、出番がもらえることです。特に3、4年は出番を後輩に譲ることが多くなるので、だから、出番をくれるってだけで僕は嬉しかったです。
田中 たしかに、このプロジェクトで学年は関係ないもんね。
藤田 はい、誰でも出してもらえるし、演目も自由にさせていただけるので。他にも色々学べることもあるんですが、出番をもらえるっていうのは一番の魅力でした。
竹内 そうだね。心染プロジェクトで腕を磨いてね。大会で賞を獲る人が心染プロジェクトに参加していることって多いもんね。
藤田 はい。ところで、今日は僕からまんじゅう大帝国のお二人に質問したいことを考えてきたんですけど、いいですか?
田中 逆インタビューか。いいね!
竹内 なんでも来い!
藤田 お給料は?
田中 なんでだ!芸人に給料聞くのはお約束じゃないよ!?
竹内 頑張ります…。なんだか、しんみりしちゃう。もう給料の話は止めよう(笑)。
藤田 漫才と落語の共通点って何かありますか?
竹内 質問の落差がすごいな(笑)。
田中 共通点ね。二人の登場人物の会話で進む落語ってあるじゃん。あれと一緒で、お客さんの視点を集中させるみたいな考え方は一緒かな。片方で盛り上げて、片方は引いてみてる、とか?
竹内 僕はネタを1回全部覚えちゃう。田中のセリフも含めて。そしたらいつでも一人で練習できるから、落語の練習方法って便利だなって(笑)。
藤田 お二人の会話のテンポとかはどうするんですか?
竹内 何回もやってるからもうわかるんだろうね。このネタだと田中はこう言うだろうなとか。
藤田 それを落語の練習みたいに一人でやるんですか?
竹内 そうそう。本番前とか二人いるのに一人でネタ合わせやってるのよ(笑)。
田中 ハタから見たら可笑しいよね。壁に向かって一人でやってるんだもん(笑)。ただ、僕らも漫才を作る思考になっているかっていうと、まだまだだよ。落語っぽいんだろうね。
藤田 確かにお二人の漫才には落語を感じます。『粗忽長屋』みたいです。
田中 『粗忽長屋』好きだからね。あれは究極のボケ合戦だもんね。
竹内 好きなキンレイ商品は?
田中 急な質問!藤田くんの質問コーナーは!?
藤田 「お水がいらない 鍋焼うどん」が一番好きです。
田中 終わっちゃったよ…。鍋焼うどんは美味しいよね。椎茸が旨いんだよなぁ。
藤田 そうなんです!椎茸が美味しいんですよ!ちゃんと椎茸の旨味としっかりとした風味がするんですよ!
田中:わかる!
竹内 (「お水がいらない ほっこりかぼちゃのほうとう」を手に取って)これメチャメチャ美味しいよ!まずね、麺が美味しいのよ。平打ち麺で!その上、野菜もたっぷりだし、かぼちゃは皮の食感をしっかり残しつつ中はホクホクでね。
藤田 へえ。食べたことないです。
田中 これは季節限定だから今は出てないけど、また冬が近くなったら発売されると思うよ。
竹内 土鍋とかで調理するとより美味しいのよ!
藤田 この前、家にある土鍋で「鍋焼うどん」作りました、美味しかったです。
竹内 もうそろそろ新商品が発売される季節だね。
藤田 次はどんな商品が出るんですかね。楽しみです!
【藤田想さん プロフィール】
2020年 二松学舎大学文学部国文学科卒業後、自動車整備会社にて活躍中。
【インタビュアー:まんじゅう大帝国 略歴】
株式会社タイタン所属の漫才コンビ。2016年6月コンビ結成。2017年4月デビュー。大学時代は互いに落語研究会に所属し、学生落語の全国大会で優秀な成績を残す。2017年4月に株式会社タイタンに所属しデビュー。フジテレビ系『ENGEIグランドスラムLIVE』『ネタパレ』などに出演し注目を集める。
【その他、受賞歴等】
- 国立演芸場 令和元年度「花形演芸大賞」 銀賞受賞
- フジテレビ「ENGEIグランドスラム」「ネタパレ」
- WEB CM パイロットコーポレーション フリクション「ネタ帳」
- MV ゼスプリゴールドキウイ「アゲリシャス」
- TBSラジオ「マイナビラフターナイト」月間チャンピオン(2017年6月/2018年11月)
- 第3回未完成映画予告編大賞「MI-CAN男優賞」(竹内一希)
- 2020年1月29日より、初のDVD「詰め合わせ」発売。
- 2020年10月7日より、第一回単独公演DVD 「私の番です。たしかにね。」発売。
- 竹内一希さん主演映画『実りゆく』が2020年10月9日(金)に新宿武蔵野館ほか全国の上映館で公開。「第63回ブルーリボン賞」作品賞にノミネート。2021年4月28日よりDVDが発売。
- 初の単行本『笑いの学校』が2020年12月19日(土)に河出書房新社より発売。
- 2021年10月9日放送の『オールナイトニッポン0(ZERO) ~決戦!お笑い有楽城~』にて優勝。
- 『まんじゅう大帝国のオールナイトニッポンPODCAST』が配信中。
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