INTERVIEWインタビュー＆部室訪問

2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。二十九回は日本大学芸術学部落語研究会より心染プロジェクトに参加した、田尾 和哉（たお かずや）さんが登場。インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所（株式会社タイタン）に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。

田中　今回の久しぶりに僕の同期である日本大学芸術学部落語研究会OBの田尾 和哉さんです。田尾を“さん”付けで呼んだことなんてないから、敬称略でやらせていただきます！

田尾　全く問題ない！俺も田中って呼んだことないから、落研時代の高座名だった“空道”と呼ばせていただきたい！竹内も久しぶり！

竹内　僕は田尾さんの1学年後輩で、当時はこの3人でよく会ったりしてましたけど、3人揃って話すのは何年ぶりですかね？

田尾　そうね。竹内とは大学のよしみで卒業してから何回か会ったりするけど、空道とは5年ぶりとかじゃない？

田中　それくらいになるかもね。芸人になったって噂はずっと聞いてたけど、今はどうしてるの？

田尾　吉本興業所属で、晴れて芸人になれました！

竹内　ライブ出演が中心ですか？

田尾　そうそう。ライブを中心に、養成所の授業のアシスタントとして手伝わせてもらったり。目下事務所のバトルライブでの優勝を目指してる。まずはそのライブで3回勝ち上がって優勝して、固定の劇場メンバーとの最終決戦で勝てたら、劇場メンバーの仲間入りになるって感じで。

田中　そのバトルライブって、どれくらいの頻度であるの？

田尾　2ヶ月に1回。

田中　一回一回が勝負所になるんだね！3回勝って、やっと入れ替わりチャンスが来るんだ！

竹内　それって、連勝しないといけないんですか？

田尾　うん。負けたら最初からやり直しで、シード権とか残留制度とかもない！

竹内　結構厳しいライブっすね！

田尾　まずはそのライブを乗り越えるのが目標の一つかなぁ。あとは『SPARKLE!!』っていうユニットライブに出たりとか。とにかく出られるライブには全部出てる！

竹内　あ、そういえば、今日は田尾さんに久々に会えるってことで、懐かしいモノを持ってきました。昔3人だけで落語をやった時の写真です。

田尾　ああ！懐かしいな。俺と空道は可愛げがあるなぁ。竹内は顔が今と全く変わらないな！

田中　竹内のキメ顔はこの時から変わらないな。

田尾　てか、この顔しか見たことない（笑）。

竹内　たぶん、この3人だけでやった落語会ってこの時だけなんですよね。心染プロジェクトでもないんじゃないかな。

田中　確かに、僕ら3人だけの落語会ってなかったかも。最初の方は田尾とよく心染プロジェクトの「出張落語会」に行ってたよね？憶えてる？

田尾　憶えてる。

竹内　田尾さんは心染プロジェクトの立ち上げメンバーでしたよね？

田尾　うん。それこそ、心染プロジェクトお披露目の発表会にも田中とか紅能と参加して。絶対、俺の写真が記事に使われると思ったら、紅能の写真が大きく使われていて、悔しかった（笑）。

竹内　そうだそうだ（笑）。でも「出張落語会」とかめちゃくちゃ出てましたよね？

田尾　かなり出させてもらったね。それこそ竹内とも何回か一緒に行ったかな。

竹内　怒涛のように『時うどん』をやってましたよね。

田尾　麺類担当だったから（笑）。あの時は本物のうどんより食べてたんじゃないかな。

竹内　小学校とかでの「出前授業」も結構参加してましたよね。

田尾　めっちゃ『味噌豆』やったなぁ。

竹内　今日のために、事務局スタッフの方から、僕と行った埼玉県の志木小学校での「出前授業」の記録画像を預かっています。

田尾　ああ、懐かしいな！

竹内　板前さんみたいな髪型の時ですね（笑）。

田尾　お前っ！思ってたなら、その時に言ってくれよ！この髪型にした時に竹内から「おっ！その髪型めっちゃイイっすね！」って言われた記憶があるけど、心の中で板前さんって思ってたのか！

竹内　はい（笑）。にしても良い表情してますね。                                       

田尾　「出前授業」では子どもたちに落語とか教える時の、一対大多数の立ち振る舞いを勉強させてもらったなぁ。その辺の公園でサッカーするのとはワケが違う。あ、写真見て思い出した。「出張落語会」とか「出前授業」で日芸落研ののぼりを作ってもらったのは嬉しかったなぁ。

竹内　大学の時の僕らなんておちゃらけてたじゃないですか？その当時、キンレイさんという企業との活動に取り組んでみて、どうでした？

田尾　最初は何をどうしていいかわからなかったんだけど、“大人って優しいぞ”っていうくらい優しく接してもらったと思う。インターンとかバイトくらい大人と関わっていたと思うんだけど、のびのび支えてもらったというか。

田中　当時を思い返すと「学生なんてどうしようもねぇな！」って思われても仕方ないんだけどね。

田尾　そうそう。大人の優しさと凄さに満ち溢れる活動だと思う！

田中　それこそ、田尾が参加した時って僕と一緒に事務局の人と会って、話しをしてもらったんだよね。

田尾　うん。プロジェクトの概要を空道と一緒に説明してもらって。その当時は落研単位での参加するとかじゃなくて、個人で参加することがほとんどで、友達に声を掛けて体制を作っていったんだよね。

竹内　それこそ、僕は田尾さんとたまたま一緒に大学に向かう電車の中で「竹内！大人とデケぇことやるから、竹内も来いよ！」って漠然とした気概だけをぶつけられて（笑）。

田尾　そんなアホみたいなこと言ってたのか（笑）。ヤバすぎるだろ！何をやるんだよ！

竹内　で、僕も「本当ですか！！やります！」って（笑）。

田中　何わかったふりしてんだよ（笑）。

田尾　誘っておいて、説明責任を何一つ果たしてないな（笑）。

竹内　「とにかく俺はやるんだ！」って言われたのを憶えていますね。

田尾　それで竹内もわかった風になっちゃったのか。お互いアホで良かったわ（笑）。

竹内　そうっすね。でもその時から大人とやり取りしてるって意識はあったと思うんですよね。

田尾　それは確かにあったかも。アホだったけど。現金な話し、就活とかにも使えるっていう付加価値もあって、参加メンバーは増えていったんじゃないかな。

田中　これまでの卒業生はこのプロジェクトでの活動を就活の面接で話して、就職した人が多いのよ。面接で落語やった人も多かったし（笑）。仕事ではないけど社会人経験に近い取り組みをしてきた学生って珍しいみたい。

竹内　田尾さんって結局、就活とかしたんですか？

田尾　大学の就職課に行って、エントリーシートみたいなのをもらったんだけど、記入欄が多すぎて、突き返して、俺の就活は終わった…。

田中　それは就活とは言わない（笑）。

田尾　意欲はあったんだけど、ダメかな？

田中　気持だけじゃダメだから就活って。

竹内　芸人になるっていつ決めてたんですか？

田尾　一応、大学を卒業したら、なろうとは思ってたけど、どうやってなるかを一切考えずに卒業しちゃって「はてさてどうしたものか？」ってなった時に、ようやく養成所の存在に気付いて。

竹内　マジで丸裸で卒業したんすね（笑）。

田尾　で、今の相方に出会って、「吉本興業の養成所に入ろう」って誘われて、「わかった！入学金を工面する！」って言ったけどできなくて、結局相方に借りて。

田中　え、そうなんだ。ちゃんと返しなよ？

田尾　もう返しました！これは書き残してほしい！“田尾和哉は借りたものは返します！！”って。

田中　当り前だから！ドヤ顔で言うことじゃないよ（笑）。

竹内　田尾さんは四国出身ですけど、キンレイさんの商品はなじみ深いんじゃないですか？

田尾　そうね。お金持っている時にスーパーとかで見つけると懐かしさも相まって買ってしまう。あんなに美味しくて、特別な商品、中々買えないよ。

田中　お金持ってる時って、そんな人初めてだよ（笑）。

田尾　そうなの？あれ！？みんな水道止まったりしない…？

竹内　止まんないっすよ（笑）。「お水がいらない」ってそういう意味では絶対ないですからね！

田尾　ガスだけ通っている時に真っ暗な家で食べて、めちゃくちゃ体に染みる。「横浜家系ラーメン」が出た時は、「家系が家で食べられるわけないだろ！」って思ったけど、美味しすぎて慄いたもんな。

竹内　やっぱり関西文化に近いところで育つとキンレイさんの「鍋焼うどん」とかは懐かしく感じるんですか？

田尾　そうね。やっぱりだしが抜群に美味しい上に、麺の食感が物凄く良い。

田中　いつ食べても間違いないもんね。今日は5年ぶりに田尾と会えたけど、良い意味でも悪い意味でも変わりなくて良かったよ（笑）。

田尾　2人とはまた、劇場とかで会えるよう精進するわ。