INTERVIEWインタビュー&部室訪問

卒業生インタビュー

第四回 東海大学文化部連合会落語研究部OB 西澤 俊浩さん

 2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。

 第四回は東海大学文化部連合会落語研究部より心染プロジェクトに参加した、西澤俊浩(にしざわ としひろ)さんにキンレイ心染プロジェクトでの活動の思い出、心染寄席誕生秘話や現在の活動について語って頂きました。

 インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所(株式会社タイタン)に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。

 
西澤 俊浩さん

左:田中永真さん 中:西澤俊浩さん 右:竹内一希さん

 

竹内 第四回は第三回に引き続き僕の同期で東海大学文化部連合会落語研究部OBの頭下位亭 黒塔*(とうかいてい こくとう)こと西澤 俊浩(にしざわ としひろ)君です!

※以下、文中では「黒塔君」

西澤 俊浩さん

西澤俊浩さん

 

田中 黒塔君は心染プロジェクトの思い出はたくさんあるんじゃない?黒塔君の代になってから心染プロジェクトの参加メンバーも一気に増えて、盛り上がっていた印象があるよ。

西澤 そうですね。色々な大学との繋がりも広がって、キンレイ心染プロジェクトからはたくさんのことを経験させてもらいました。

竹内 黒塔君が参加した時って心染プロジェクトが発足してすぐだっけ?

西澤 いや、僕は心染プロジェクトが立ち上がって一年くらい経ったくらいだね。

竹内 当時の東海落研*は部員少なかったよね?黒塔君一人しかいない時期もあって。

※以下、東海落研 西澤さんは当時、東海大学文化部連合会落語研究部に所属。

西澤 うん、同期もいなくて、新入生も入らず、一人孤独に東海落研の責任者をしていたね(笑)。

田中 でも、そんな中、どうやって心染プロジェクトを知ったの?他大の人に誘われたとか?

西澤 竹内君に誘われて。

田中 そうなんだ。出張落語会とか結構行ってた?

西澤 いや、それが三年生の時は中々参加できなくて、四年生の就活が終わってから参加する機会が増えていきましたね。

竹内 あ!僕らが四年生の時、キンレイさんの新商品発表会に一緒に参加したよね?プライベートショーっていうタイトルで。

西澤 そうそう。会場は御茶ノ水のワテラス*だったかな。キンレイさんの新商品発表会の一部として、心染プロジェクトを紹介するブースを作って、そこのブースの担当をさせてもらったんだよね。竹内君が落語を披露して、僕は心染プロジェクトの解説をして。その発表会では新商品の試食会もやって、着物姿に襷掛けした竹内君が試食品を提供してなかった?

※ワテラス=商業施設WATERRAS COMMON (ワテラスコモン)

西澤 俊浩さん

2016年10月(株)キンレイプライベートショーにてキンレイ心染プロジェクトの紹介ブース&来場メディアに心染プロジェクトについて紹介・解説をしている西澤さん

 

竹内 そうだ。色々思い出してきた。メディアの方々もたくさん来場していて、心染プロジェクトについて黒塔君が説明・解説していたよね。

田中 すごいな!そんなことがあったんだ。

西澤 その新商品発表会があった年に心染寄席もワテラスで開催したよね?

田中 心染寄席?僕らが参加していた時にはなかったやつだ。どういう寄席?

竹内 出張落語会みたいに、依頼を受けて落語をするんじゃなくて、自分たちで会場を手配して、自分たちで集客もする寄席企画。

田中 あ!高円寺で開催していたイベントかな?落語と鍋焼うどんの試食を同じ会場で提供する。

西澤 そうです。ただ、高円寺での心染寄席は僕らが卒業してからですね。

 
西澤 俊浩さん

左:田中永真さん 右:西澤俊浩さん

 

田中 あ、そうなんだ。最初は御茶ノ水のワテラスで開催されたの?

西澤 はい。それこそ心染寄席は、竹内君が「各大学の落研が集まって公演ができたら面白くない?」ってアイデアを出して、心染プロジェクトの運営スタッフの方々に話しに行こうってなって、二人で相談したのが始まりです。そこで竹内君がフリップを用意して企画内容をプレゼンしたんです。

竹内 とりあえず、考えを伝えてみようって、喫茶店で要件を伝えるメールを二人で考えて、メチャメチャ硬いメール文を送ったよね(笑)。ただ、実際に提案に行った時のフリップは簡単なイラストを描いただけだったので、物凄いギャップが生まれてしまって(笑)。

西澤 僕らの寄席に協力してほしいです。って提案をしたら、興味を持ってくれて、より具体的にした結果、一回目はワテラスで行われているマルシェに一企画として参加できることに決まって。マルシェの一般来場者にアルミの鍋焼うどんを試食提供して、隣の会場で僕らが落語をするっていう構成が出来上がったんです。

田中 それを立ち上げたんだね。すごいね。キンレイさんと落研の学生が協力した企画を実現したのは、貴重な経験だね。

西澤 ダメもとで話しに行ったら、受け入れてくれたのがありがたかったです。心染寄席の話は就活の時にすごく響きました。

田中 それは興味持ってもらえるだろうね。企画を実現させたんだから、即戦力になるって思ってもらえただろうね。

西澤 学生時代の活動のエピソードとして、他の人と差別化できて、採用に直結しました。

田中 心染寄席かあ。今後も続いていくと良いね。

西澤 ワテラスでの心染寄席に参加していた一年生が、今四年生になっていることを考えると、時の速さを感じますね。

竹内 卒業して三年が経つけど、今はどんな仕事をしているの?

 
西澤 俊浩さん

左:西澤俊浩さん 右:竹内一希さん

 

西澤 システムエンジニアをやっているよ。

竹内 大学では情報系を専攻していたもんね。でも、システムエンジニアって実務としてはどういうことをしているの?

西澤 システムエンジニアにも色々なジャンルがあって、企業から依頼を受けて人事・総務に関する情報を管理・運用できる枠組みをシステム化して設計する仕事をしているよ。

竹内 企業の社員専用サイトを作っているってこと?

西澤 まあ、簡単に言ってしまうとそんなイメージかな。

竹内 なるほど!その職業を目指していたのに、どうして落研に入ったの?

西澤 専攻とは違う角度の経験として得られるものは何だろうって考えて、落語が良いかもしれないって思ったんだよね。

竹内 専攻と関連がないからこそ興味が湧いたの?

西澤 そうそう。あとは喋りが上手い人は落語が好きっていうイメージがあって、システムエンジニアって黙々と作業するイメージがあったから、喋りもできると役に立つなと思って。

竹内 それは功を奏した?

西澤 それまでの自分と比べると格段にコミュニケーション能力は成長したよ。

田中 社会に出て「これが社会か!?」って実感したこととかある?

西澤 組織としての意識が強くなりましたね。“ほうれんそう”の大切さとか。自分の裁量ではどうにもならないことばかりなので、組織としての責任を意識するようになりました。

田中 落研も簡単な組織じゃない?黒塔君は東海落研の責任者と関東落研連合*の幹部も担ってきから、どういう報告したら恙なく進行できるかって、感覚としてわかったんじゃない?

※関東落研連合:関東圏に存在する大学落研の交流促進のための団体。総長・副総長・補佐の幹部体制で運営されている。西澤さんは12代・副総長として2016年に幹部として運営に携わる。(竹内さんは12代・総長を務めた)キンレイ心染プロジェクトに参加する13大学すべての落語研究会は関東落研連合に所属している。

【関東落研連合公式Twitter:https://twitter.com/kanrakuren?lang=ja

 

西澤 飲み込みやすかったですね。失敗しても落研時代での失敗に置き換えやすかったですし。

田中 落研も良く言えば職業体験みたいなもんだもんね。

竹内 落研に入ってよかったこととかある?

西澤 落研に入っていなかったら、こんなに話すこともなかっただろうし、公演を企画して、運営する苦労とか達成感も味わえなかっただろうなと思う。あとは落語をやっていく中で、自己分析する癖ができたかな。人にどう見られるかな?とか、客観性が身に付いたと思うよ。

田中 確かに落語って自分の個性を分析して、与える印象を想定して自分に合う落語を選ぶ作業をしなきゃいけない。これはほかのジャンルにはない作業だよね。

西澤 もう一回、大学一年生に戻って同じことやれって言われたら嫌です。たまに夢に出ますし(笑)。ネタができてない!って。

田中 あの四年間はすごく濃密な時間だったね。

西澤 結果として、人に与える印象を意識するアンテナは発達しましたね。

竹内 心染寄席は立ち上げるし、落語を自己分析に役立てるし、すごいな君は!

田中 心染プロジェクトに参加している現役生に向けてアドバイスとかありますか?

西澤 ダメかな?と思っても自分たちの考えを実現できる可能性が高いので、心染プロジェクトを活用してどんどん挑戦していくと、自分でも気が付かない内に大きく成長できることですかね。

田中 親身になってくれるしね。心染寄席が良い例だね。

西澤 意外と大人は耳を傾けてくれます。

竹内 もっとこのプロジェクトを利用する気概を持っても良いよね。本当にダメな時はダメって言われるから、希望をどんどん伝えて、社会を垣間見ていけばいいよね。

西澤 心染プロジェクトからは、企業の協力を得ることで、自分たちのアイデアを形にできることを学べましたね。キンレイさんの商品の美味しさも知ることができ、今でも一ファンとして商品を買って食べているよ。

竹内 おお、どの商品が一番好き?

西澤 やっぱり、「お水がいらない 鍋焼うどん」かな。結局ここに戻ってしまう。だしの美味しさがすごい。

 
西澤 俊浩さん

左:田中永真さん 右:西澤俊浩さん

 

竹内 具材も多いしね。

西澤 そういえば、会社で冷凍うどんを好きって言っている人がいて、キンレイ商品を勧めたら、美味しかったって言っていた!

田中 やっぱり食べるとわかるんだよね。

竹内 新商品の「お水がいらない 五目あんかけラーメン」がすごい完成度だったなあ。

田中 あ!僕もそれ食べた。あれは美味しい!

西澤 スーパーで買っているんですけど、五目あんかけラーメンはまだ見かけてないかも。見つけたら買ってみます!

 

西澤 俊浩さん
西澤 俊浩さん

【西澤 俊浩さん プロフィール】

2017年東海大学情報理工学部情報科学科卒業後、システム開発企業に就職し、活躍中。

【インタビュアー:まんじゅう大帝国 略歴】

株式会社タイタン所属の漫才コンビ。2016年6月コンビ結成。2017年4月デビュー。大学時代は互いに落語研究会に所属し、学生落語の全国大会で優秀な成績を残す。2017年4月に株式会社タイタンに所属しデビュー。フジテレビ系『ENGEIグランドスラムLIVE』『ネタパレ』などに出演し注目を集める。

【その他、受賞歴等】

  • 国立演芸場 令和元年度「花形演芸大賞」 銀賞受賞
  • フジテレビ「ENGEIグランドスラム」「ネタパレ」
  • WEB CM パイロットコーポレーション フリクション「ネタ帳」
  • MV ゼスプリゴールドキウイ「アゲリシャス」
  • TBSラジオ「マイナビラフターナイト」月間チャンピオン(2017年6月/2018年11月)
  • 第3回未完成映画予告編大賞「MI-CAN男優賞」(竹内一希)
  • 2020年1月29日より、初のDVD「詰め合わせ」発売。
  • 2020年10月7日より、第一回単独公演DVD 「私の番です。たしかにね。」発売。
  • 竹内一希さん主演映画『実りゆく』が2020年10月9日(金)に新宿武蔵野館ほか全国の上映館で公開。「第63回ブルーリボン賞」作品賞にノミネート。2021年4月28日よりDVDが発売。
  • 初の単行本『笑いの学校』が2020年12月19日(土)に河出書房新社より発売。
  • 2021年10月9日放送の『オールナイトニッポン0(ZERO) ~決戦!お笑い有楽城~』にて優勝。
  • 『まんじゅう大帝国のオールナイトニッポンPODCAST』が配信中。

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