■日時:2017/11/11
■会場:中野区立中野中学校 体育館 (東京都中野区)
■参加者:全校生徒・保護者 約480名
■プログラム
開会あいさつ
プロジェクト説明
落語の観賞「時うどん」
食文化講座「落語から紐解く江戸の暮らしと食文化」
生徒代表のお礼の言葉
閉会あいさつ
■演者:
・駿河亭 悪團治
「時うどん」
屋台のうどん屋で、良くしゃべる男がお世辞を言って勘定1文をごまかすところを目の前で見ていた、もう1人のぼーっとした男。「よし、自分もマネしてみよう」と、翌日早めにうどん屋に行くが…。
■当日の様子:
中野区立中野中学校の体育館で開催された食育講演会に、講師として《キンレイ心染プロジェクト》をお招きいただきました。日本の伝統芸能である落語の観賞を通じて、同じ時代に華開いた江戸の食文化への理解を深めることを狙いとしました。土曜日の学校公開日とあって、全校生徒と保護者、総勢約480名の前で、『時うどん』の披露とスライド資料を使った食文化講座を行いました。
明治大学3年生の駿河亭悪團治くんによる『時うどん』は、冒頭「うど~ん、そば~、う~」という売り声から始まり、一気に観客を落語の世界へと引き込みます。だしや麺をすするシーンには、思わず会場から歓声が上がります。食べるシーンは落語の醍醐味の1つであり、聞き手の想像力を最大限にかきたてます。勘定の途中に、時刻を聞くことで1文お金をごまかすというトリックには、生徒も気が付いた様子。2人目の客は昨晩よりも早くうどん屋さんを呼び止めてしまったために、むしろ多く払い過ぎてしまうというオチもキレイに決まりました。
後半は、事務局スタッフの管理栄養士による「落語から紐解く江戸の暮らしと食文化」と題し、『時うどん』を4つのシーンに分け、食文化の切り口から解説しました。浮世絵や文献資料を用いながら、江戸時代の外食産業は屋台だったという歴史やお品書きを読み解くことで見えてくる「うどん1杯=16文」という価格、また、うどんに欠かせないだし文化などについて、途中クイズも交えながら楽しく学んでもらいました。落語の題材は江戸庶民の暮らしであり、食文化も密接に関わっています。『時うどん』の解説を通じて、本プロジェクトの意義でもある、落語と食文化の繋がりを理解いただくとともに、江戸時代にルーツをもつ、現代の食生活に関心を深める1日となりました。