活動報告

昭島市学校給食課「Let’食育実践発表会」


■日時:2017/1/27(金) 15:00~17:00

■会場:昭島市役所 市民ホール(東京都昭島市)

■参加者:一般、小・中学校教育関係者、栄養士など 約100名

■演者・演目:
・飯喰亭 鯖寿司
「みそ豆」
みそ豆の煮え具合を見てくるよう旦那に言われたさだ吉は、つまみ食いをしているところを叱られ、お使いを頼まれる。さだ吉が出かけた隙に、美味しそうなみそ豆を見た旦那は、こっそりと食べようと隠れ場所を探すが…。

「芝浜」
怠け者の八っつぁんに痺れを切らした奥さんは、魚河岸へ仕事に行っておくれと少々早く起こし過ぎてしまう。芝の浜辺で時間をつぶしていると、向こうから財布が流れて来て、中には大金が。これを拾ったのが、夢のような話の始まりでした…。

・頭下位亭  黒塔
「たけのこ」
隣の屋敷から自分の敷地に生えてきたタケノコ。戦国の世ならば間者も同様とて、「お手打ちという事にして、食べてしまおう」と言う。準備がよい旦那は、鰹節を削って待っている。家来がお隣さんへ伝言に行くが、隣の旦那の方が一枚上手で…。

■当日の様子
 昭島市学校給食課が開催し、今年で3年目となる「Let’食育実践発表会」。今年のテーマは、『次の世代に伝えたい和食のよさ~豆はくらしにいきている~』です。落語という日本の伝統芸能の鑑賞と、落語を通じて、後世に残したい和食文化を再認識する機会にして欲しいという目的から、第1部は「キンレイ心染プロジェクト」による落語の鑑賞と、食育事例の紹介をしました。演目はすべて“食べ物”が登場する噺でそろえ、『みそ豆』『たけのこ』『芝浜』を学生落語家が熱演しました。

 1席目は飯喰亭鯖寿司くんによる『みそ豆』。この演目は、本プロジェクトが2015年から展開している小学校への出前授業で必ず演じるもの。味噌を作るために煮た大豆をつまみ食いするストーリーで、「ふぅふぅ、あちち…」と煮豆を食べる仕草はコミカルで、観客の想像を掻き立てます。演じ終わった後、事務局スタッフより、出前授業で実際に使用している教材を掲げながら、食育事例についてもご紹介しました。

 2席目は頭下位亭黒塔くんによる『たけのこ』。春の旬食材であるタケノコが主役です。お武家様の屋敷を舞台にした噺で、武士の話口調が何とも面白い。隣人宅からはみ出して生えてきたタケノコを、“お手打ち”だと言って何とかして食べたい旦那と、何としても食べさせまいとする両屋敷の旦那同士のやり取りが滑稽な噺でした。

 3席目、再び鯖寿司くんの登場。夫婦の愛情を描いた屈指の人情噺「芝浜」を披露し、鯖寿司くんの迫真の演技は観客の涙を誘いました。八っつぁんは芝浜で大金の入った財布を拾い、ドンチャン騒ぎ。酔って目覚めた旦那に、奥さんは「夢でも見たんだよ」と、嘘を付きます。改心した八っつぁんは一生懸命に働き、3年後の大晦日。奥さんはいつかの財布を差し出し、「全部嘘だったの。許しておくれ…」と泣いて詫びるクライマックスシーンには、どこからかすすり泣く声が聞こえてくるようでした。第2部は昭島市内の小・中学校で実践されている食育についての報告がありました。食べ物を題材にした落語の鑑賞を通じて、落語や和食とった日本の伝統文化への理解と興味を深める1日となりました。

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