■開催日:2022/11/11
■会場:西東京市立谷戸小学校
■参加者:3年生 2クラス
■プログラム
開会あいさつ
落語の基礎講座
「姿を変える大豆」の食育授業
落語の鑑賞「みそ豆」
落語の鑑賞「船徳」
「うどんの食文化講座」
落語の鑑賞「時うどん」
「落語に挑戦しよう!」
閉会の挨拶
交流給食
■演者
・富士見亭 ぽ太
「みそ豆」
丁稚の定吉は旦那から台所で煮ている大豆の煮え加減をみてくるよう頼まれる。言われた通りみにいくも、見ただけじゃわからないとつまみ食い。それが旦那に見つかり大目玉を食らった挙句、お使いに出されてしまう。しかし、旦那も鍋の中の豆が気になりだし…。
「平林」
商家の奉公人の定吉は、旦那の手紙を平林(ひらばやし)邸に手紙を届け、返事をもらってくるよう使いを頼まれる。行き先を忘れないように「平林、平林」と繰り返しながら歩くが…。
・潮家 竜吉
「時うどん」
寒い冬の夜、うどん屋を呼び止めた2人の男。うどんは1杯16文だが、2人合わせて15文しか持っていない。知恵の働く兄貴分のおかげで、勘定を1文ごまかし15文でうどんを食べることに成功。それを見ていた弟分は「自分も真似しよう」と翌日意気揚々と出かけていくも…。
■当日の様子
11月11日(金)に西東京市立谷戸小学校にて3年生2クラスを対象に食育出前授業を行いました。始めに事務局スタッフが“落語の基礎講座”として、落語を演じる際の高座の説明や着物を着て演じること、1人で複数の登場人物を演じ分けることなど落語の基本を解説し、落語への理解を深めました。
落語の基礎知識を学んだ後、食育授業「姿をかえる大豆」を行い、様々な調理法から色々な食べ物に変化する大豆について、クイズを交えながら講義を行いました。児童たちは積極的に挙手をし、豆乳や豆腐、味噌、醤油などができる過程を学び、大豆が日本人の食生活に欠かせない食材であることを学びました。
その後、法政大学4年生・富士見亭 ぽ太さんの『みそ豆』を鑑賞しました。鍋で煮ている熱々のみそ豆を定吉が小皿に山盛りに盛り付ける場面や、旦那に隠れて「ふーふー、あちち」と頬張る定吉を演じるぽ太さんに大きな笑いが起こりました。
続いて、ぽ太さんが『平林(ひらばやし)』を披露。旦那から頼まれた手紙を届けるお使いの道中、色々な人に宛先の「平林」の読み方を聞くが、「タイラバヤシ」「ヒラリン」などトンチンカンな読み方を教えられ、困り果ててしまう。困った定吉が、教えられた読み方を全部つなげて「タイラバヤシかヒラリンか、イチハチジュウノモークモク、ヒトツトヤッツデトッキッキ」とリズミカルに歌う定吉に子ども達も大笑いでした。
4時間目には、事務局スタッフが「うどんの食文化講座」としてうどんの歴史、素材、江戸時代の屋台文化などについて講義をしました。江戸時代の街並みや屋台文化について興味を示す児童も多く、楽しみながらうどんや江戸時代の食文化に触れることができました。授業後には東京外語大学4年生・潮家竜吉さんの『時うどん』を鑑賞。だしやうどんをすする場面では食欲が掻き立てられている様子でした。
授業の最後にはぽ太さん、竜吉さんが各クラスで落語の仕草や『みそ豆』の演じ方をレクチャーしました。1人で登場人物を演じ分ける「上下」のテクニックや3時間目で鑑賞した『みそ豆』の描写、歩いたり、戸を開けたりする仕草を実践しながら、落語への理解を深めました。練習した成果を各クラスの代表者が高座に上がり、食べる仕草や『みそ豆』を披露しました。勢いよくうどんをすすったり、『みそ豆』の1シーンを実践したりと、クラスメイトの姿に児童たちも先生も大盛り上がりの末、授業は幕を閉じました。
授業後には『みそ豆』に登場した「みそ豆」や、『時うどん』に登場したうどんをアレンジした香川県の郷土料理「しっぽくうどん」など特別な献立が組まれました。ぽ太さん、竜吉さんは各クラスの児童と一緒に給食を囲み、授業同様賑やかな交流となりました。日本の伝統文化である和食(日本の食文化)と落語に触れ合うとともに、給食と連動することで、落語だけでなく、給食が生きた教材として活躍した、「出前授業」となりました。