■日時:2019/01/31
■会場:埼玉県行田市立行田中学校
■参加者:1年生 約90名
■プログラム
開会あいさつ
プロジェクト説明
落語の基礎講座
落語の鑑賞「時うどん」
食文化講座「落語から紐解く江戸の暮らしと食文化」
落語の鑑賞「親子酒」
落語の鑑賞「馬のす」
「落語に挑戦しよう!~食べるしぐさ~」
閉会の挨拶
交流給食
■演者
・飯喰亭 おはぎ
「時うどん」
知恵の働く兄貴分と少し足りない弟分がうどん屋に立ち寄るも二人合わせて15文しかない。うどんは一杯16文。兄貴分は上手いこと勘定をごまかし、15文で支払いを済ませてしまう。それを見た弟分は自分もやってみようと翌日出かけていていくが…。
・ふられ亭 扇痴
「親子酒」
ある商家に共に酒好きの親子がおり、父親である大旦那は息子の酒癖の悪さを心配し、一緒に禁酒をしようと持ち掛ける。息子も承知し、しばらくは禁酒も続いたが、息子が出けたある晩、女房に頼み込み酒に手を出してしまう。大いに酔っぱらい気分も良くなってきたところで息子が帰ってきて…。
・夢天家 場和成
「馬のす」
釣り好きの男は今日も意気揚々と釣りに出かけていく。釣り場に着き、道具の確認をすると釣り糸を忘れていることに気が付く。丁度通りの木につながれている馬の尻尾を見て、はたと「これは釣り糸に使える」と3本ほど抜いてしまう。それを見ていた友達が「えらいことをした」と思わせぶりに言い出し…。
■当日の様子:
まだまだ、寒い日が続くものの少しずつ日足も伸び始めてきた1月下旬、埼玉県行田市立行田中学校にて1年生約90名を対象に、「出前授業」を実施しました。
当日は、和食や落語といった日本の伝統文化への理解と関心を深めてもらうことを目的に管理栄養士による食文化講座と学生落語家が落語を披露しました。
初めに日本大学4年生、飯喰亭おはぎさんが落語で使用する扇子や手ぬぐいなど小道具について笑いを散りばめながら生徒に説明。その後『時うどん』を演じました。「一つ、二つ、三つ・・・」と勘定を数える途中で、時刻を聞くことで16文の勘定を15文に誤魔化した兄貴分。それを見た弟分が翌日マネをして4文損をするという噺。だしを美味しそうに味わう仕草やうどんをすする仕草に生徒たちは思わず釘付け。兄貴分と弟分のやり取りにもクスクスと、終始会場は盛り上がっていました。
続いて、事務局スタッフによる『落語から紐解く江戸のくらしと食文化』と題した食文化講座では『時うどん』の舞台である江戸時代の屋台文化や物価、時刻の数え方などについて資料を用いて解説。クイズの出題なども交えたことにより、初めは緊張した様子で講座を聞いていた生徒も楽しみながら江戸の食文化について学ぶことができました。
そして、中央大学2年生、ふられ亭扇痴さんが登場し『親子酒』を披露しました。禁酒を約束するも、我慢できずに飲んでしまいベロベロに酔っぱらった親子のやり取りをコミカルに演じました。終始、笑っている生徒もおり、扇痴さんも手応えを感じ高座を降りました。
トリを飾ったのは日本大学2年生、夢天家場和成さん。枕で生徒たちの心をひきつけ『馬のす』へ。馬の尻尾の秘密をなかなか教えてくれない友達と、友達にやきもきする男のキャラクターを面白可笑しく演じ分け、トリを飾るにふさわしい高座を務めました。
授業の後半では、学生落語家が講師となり生徒に“落語に登場するしぐさ”を伝授。各クラスの代表生徒が練習成果を披露する時には、2人で役割分担をして落語を披露する生徒も。各クラスの個性が光る時間となりました。
授業後の交流給食では、学生落語家がクラスに交じり一緒に給食を食べ、自らの中学校生活や大学生活について話したりと、交流を深めました。また、「実際に落語をやってみてすごく楽しかったです。」「落語と食文化がつながっていることを知り、日本の食文化に興味が湧いた」などの感想を頂くことができ、伝統文化である“落語”と触れ合うとともに日本の“和食・食文化”への理解を深める授業となりました。