■日時:2017/11/16(木)
■会場:川越市立川越西中学校 柔道場
■参加者:中学校2年生 3クラス 110名
■プログラム
・開会あいさつ
・プロジェクト説明
・落語の基礎講座
・落語の観賞「時うどん」
・食文化講座 ~落語から紐解く江戸のくらしと食文化~
・落語の観賞「たぬ賽」「紙入れ」「元犬」
・落語「時うどん」に挑戦!~大学生が落語を伝授~
(自主練習~高座で実演)
・閉会あいさつ
■演者:
・橘亭 カレーぱん
「たぬ賽」
博打好きの男の家に夜中の来訪者。何と子狸で、昼間悪童たちにいじめられているところを男に助けられたので恩返しに来たのだという。男は何にでも化けられる子狸を見て、サイコロに化けさせて賭場に持っていけば自分の好きな目を出して勝つことが出来ると思いつき…。
・霜月亭 雪走
「紙入れ」
貸本屋の新吉は、出入り先のおかみさんから旦那の留守中に泊まって行けとせがまれる。そんな中、急遽旦那が帰宅。新吉はおかみさんの計らいで辛うじて脱出に成功するが、以前に旦那から貰った紙入れを現場に忘れてきた事に気づく。逃亡も考える新吉だが、まずは様子を探ろうと翌朝再び旦那のところを訪れると…。
・駿河亭 悪團治
「時うどん」
屋台のうどん屋で、良くしゃべる男がお世辞を言って勘定1文をごまかすところを目の前で見ていた、もう1人のぼーっとした男。「よし、自分もマネしてみよう」と、翌日早めにうどん屋に行くが…。
「元犬」
“白犬は人間に近く、信心すれば来世には人間に生まれ変われる”という話しをご隠居から聞き一念発起してお百度を踏む白い犬。見事願いが叶い人間の姿になった白犬はご隠居に事情を話し『四郎』という名前と仕事の世話をして貰うが、仕事先で犬の習性が出てしまい失敗続き。そんな中、とある問いかけに対して四郎が返した言葉は・・・。
■当日の様子:
「落語を通じて食文化を伝える」という本プロジェクトの意義に関心をお持ちくださったご縁を機に、川越市立川越西中学校の柔道場にて2年生・110名を対象に“出前授業”を開催致しました。
開催に先立ち、家庭科の先生(食育のご担当)から「伝統芸能である落語を通して、食べ物の歴史について考え学ぶ時間にしたい」というご挨拶をいただき、落語を演じる大学生と食文化講座で講師を務める事務局スタッフも気合十分。聴講する生徒さん達の期待と好奇心に満ちた熱い視線を受けながらスタートしました。
まずは駿河亭悪團治くんによる「落語の基礎講座」。落語を行う際に活用する小道具の使い方や舞台の名称紹介などを持ち前の笑顔と柔らかな雰囲気で実施。扇子や手拭いがお箸や帳面になる様子を、実演を踏まえながら解説すると生徒さんからは驚きの声が。
さらに「うど~ん、そば~」という売り声から始まる「時うどん」の一席では、熱々のだしやうどんをすする仕草に加えオチもしっかりと決め、生徒さんからはたくさんの拍手を貰っていました。
次に、管理栄養士の資格を持つ事務局スタッフが「落語から紐解く江戸のくらしと食文化」についてスライド資料を使いながら解説。クイズの出題なども交えながら進めたことが奏功し、生徒の皆さんも食文化について楽しみながら考え、学ぶことが出来た様子でした。
休憩を挟み、後半戦は3連続で落語を披露。
出囃子の中、後半戦トップバッターは橘亭カレーぱんくんによる「たぬ賽」の一席。当日は喉の調子が良くない中での一席であったにも関わらず、噺に登場する博打好きの男と子狸を見事に演じ分ける様子に生徒さん達も集中して聞き入っていました。
後半戦2番手は紅一点、霜月亭雪走さんによる「紙入れ」の一席。主人公の新吉の心情はもちろん、おかみさんや旦那も上下を使い分けて見事に表現。真骨頂であるテンポの良さがストーリーに展開に一層の厚みと拍車を掛け、生徒さん達も自然と噺に引き込まれていました。
3席連続落語のトリを務めるのは再び登場の駿河亭悪團治くん。念願であった人間の姿になれた白犬が主人公というファンタジックなストーリーを持ち前の笑顔と口調で好演。白犬の可愛いらしさを表現する様子に会場も笑顔で溢れていました。
最後は、「落語に挑戦!」というテーマのもと、学生落語家達が「時うどん」を題材に上下の切り方や仕草のコツなどを生徒さん達にレクチャー。生徒さんを代表した2名が高座に上がり、時うどんを演じました。2人の美味しそうにうどんをすする仕草に会場は笑顔と拍手で包まれ、大盛況の中終演となりました。