活動報告

特別養護老人ホーム椿【出張落語会】

■日時:2017/11/9(水)14:00~

■会場:特別養護老人ホーム椿 ホール(東京都町田市)

■参加者:入居者、スタッフ 約30名

■演者:
・丸家 りーた
「町内の若い衆」
ある職人の男が、兄貴分の家に増築祝いに寄ると兄貴は留守中だという。奥さんに兄貴の働きぶりを褒めると「町内の若い衆のおかげ」と奥ゆかしい態度に関心する。自分が留守中、妻がどんな受け答えをするか気になり、熊五郎に頼んだが…。

・飯喰亭 おはぎ
「短命」
質屋の婿養子が三人も立て続けに亡くなったという。ある男が町内のご隠居のところへ、お悔やみの挨拶を教えてほしいと尋ねてきた次いでに、「なぜ3人も続けて早死にするのか」を聞いたところ…。

・奏家 風車
「鮫講釈」
沖で船が鮫に取り囲まれてしまい、船を沈められないよう、生贄として選ばれたのは講釈師。 「海へと身を投げる前に、最後に一席、講釈を聴いてもらいたい」 と講釈を始める…。

・霜月亭 雪走
「厩火事(うまやかじ)」
働き者の女房と道楽者の亭主。女房はヒモ状態の亭主の愚痴を、仲人の男のところへ相談にやってくる。するとだんなは孔子の故事に倣い、亭主の愛情を試そうと、大切な瀬戸物を割ってみてはどうかと提案し…。

■当日の様子:
1番手の、りーたさんと4番手の雪走さんが披露した落語はどちらも夫婦が登場する噺ですが、夫婦の立場が全く違います。

「町内の若い衆」では口の悪い奥さんが旦那をいろいろなモノに例えて詰ります。「どこをのたくってやがった」とヘビに、「カボチャ野郎は顔洗ったってしょうがない」とカボチャに例えるその姿は、今も昔も変わらない「カカア天下」の夫婦を再現している様でした。一方、雪走さんの「厩火事」は顔に惚れたヒモ男ならぬ、ヒモ亭主に強気に出られない女房が男の愛情を確かめる噺です。器よりも女房に怪我がないか心配した亭主に妻は感動しますが、「働き頭の女房に怪我をされては明日から遊んで暮らせない」というダメ男っぷりが光るオチは、「町内の若い衆」とは真逆。しかし、これも夫婦の在り方だと思わせる噺でした。

2番手のおはぎさんが披露した「短命」では、質屋の娘に嫁いだ男が次々と亡くなる理由を、ご隠居はあえて遠まわしに伝えようと例え話を始める場面があります。「食事時、ご飯を旦那に渡そうとして、白魚を5本並べたような、透き通るようなおかみさんの手が旦那に触れる…」と、おはぎさんゆっくりと、揺蕩(たゆた)うような話し方に、聞き手のお客様は少し上を向いて、その情景を頭に思い浮かべているようでした。

風車さんの「鮫講釈」では、講釈師の扇子を叩いて調子をとりつつ、軍記物などを歌いあげるのですが、可愛らしい風車さんが調子良くメリハリをつけて話す姿がとても印象的でした。

落語会後、入居者の方から「落語はテレビとかではいつも観ているけど、生で観るのは初めて。」「久々に声出して笑った。」など直接感想を聞ける、素晴らしい会となりました。

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