■日時:2017/9/14(木)10:00~
■会場:グループホームふくろう宮前(東京都杉並区)
■参加者:入居者・スタッフ 約20名
■演者:
・田町家 真血多
「黄金の大黒」
長屋の一同に大家から呼び出しがかかった。家賃の取り立てかと戦々恐々の面々だが、聞くと大家の子が砂遊びをしている最中に、黄金の大黒さまを掘り出したという…。
・す亭 ごおるど
「片棒」
赤螺屋(あかにしや)ケチ兵衛という男、そろそろ息子の誰かに身代を譲らなくてはならないが、不安で仕方がない。ある日、自分が死んだら後の始末はどうするか聞いたところ…。
・駿河亭 悪團治
「たらちね」
大家の紹介で美しい妻をもらった八五郎。器量は十人並み以上と申し分ないものの、京の名家の出身で、言葉づかいがあまりにも堅苦しく…。
・酒乱苦 雑派
「猫の災難」
酒が飲みたくなった熊五郎。隣のかみさんに声を掛けられ、見ると大きな鯛の頭と尻尾をもっていた。猫の病気見舞いの食べ残しを捨てに行くというので、もったいないともらい受けたが…。
■当日の様子:
真血多君の「黄金の大黒」は、とある長屋に住んでいる住人たちが主役のお噺です。大家の家に威勢良く向かう住人、食事にありつけると聞いて泣き出す住人と喜怒哀楽の激しい住人の様子を、真血多君は表情豊かに演じ分けていました。
続くごおるど君の演目は、「片棒」です。息子に葬式の出し方を聞くと、紅白幕を飾って、オヤジそっくりのからくり人形を乗せた山車で街を練り歩いて、しまいには遺灰を花火で打ち上げるという破天荒なプランを息子は得意げに披露します。ごおるど君の高座の上でからくり人形のマネをしたり、囃子の太鼓や笛を口で真似る姿に、会場は一気に祭り会場となりました。
悪團治君は上方落語を披露。丁寧すぎる公家言葉を使う嫁に旦那となった男は手を焼いてしまします。まるで呪文のような嫁の言葉遣いに、会場は旦那の気持ちになったのか、苦笑いしている男性の方もいらっしゃいました。
最後は雑派君の「猫の災難」。熊五郎は兄貴の買ってきた酒を自分の都合の良いように解釈して、先に酒を飲むばかりか、飲み切ってしまいます。雑派君の得意な酒を飲むしぐさ満載のこの場面では、お客さんから拍手と歓声が上がるほどでした。